1月17日、新聞各紙に年金の受給開始に関する記事が掲載されました。
「年金70歳超も選択肢」「年金開始70歳以降も可」などの見出しで、そのほとんどが1面だったのでご覧になった方も多いのではと思います。
でも、早とちりしないでください。
見出しを見れば分かるのですが、年金が70歳にならなけば貰えいないということではなく、60~70歳の間で自由に選べる現行制度を見直し、開始の選択範囲を70歳以降も選べるようになるかもしれないということです。
これは政府が取りまとめている中長期的な高齢者施策の指針となる「高齢社会対策大綱案」の全容のなかに盛り込まれたもので、正式に決定されたわけではありませんが、背景には「高齢者の就業促進と年金の給付改善が狙い」と思われます。
更に大綱案では
「65歳以上を一律に『高齢者』と見る一般的な傾向は、現状に照らせばもはや、現実的なものではなくなりつつある」と指摘しています。その上で「年齢による画一化を見直し、全ての年代の人々が希望に応じて意欲、能力を生かして活躍できるエイジレス社会を目指す」とも記されています。
人生100年時代と言われるなか、社会保障制度のみならず、高齢者の定義や高齢期のライフスタイルも今後は変わって行くことは確かです。
すまいのお金・鹿児島相談室のマイホーム予算診断でも、100歳までのシュミレーションをご希望されるケースが増えています。
全ての方が100歳までご存命するわけではありませんが、自身の予想を超え長生きする可能性もあるので、あらかじめ将来がどうなるかを見ておきたいと考えるのも不思議ではないと思います。
住宅取得についても一般的なローン返済期間に加え完済後も長く住み続けることも考えて、最初の検討時から長期的な視点に立って考える事がますます必要になるのではないかと改めて感じる記事でした。
すまいのお金・鹿児島相談室
関野信一