すまいのお金・鹿児島相談室
ファイナンシャル・プランナーの関野です。
今回は「9割が住宅取得に不安」という調査結果について自戒も込めて書いてみました。
私はこれまでに2度マイホームを取得しています。
1度目は27歳のときにマンションを
(7年後に売却)
2度目は38歳の時に戸建てです。
2度とも今の仕事ではなく前職の頃です。
1度目は結婚後の新居として、
子供がある程度の成長したら
売却すればいいやと
気楽な気持ちで購入しました。
2度目は地元へUターンし
転職からまもなく、
年収も下がっていたうえに
年齢も40歳を目前にしていたので、
1度目とは違い本当に払っていけるのか
不安だった記憶があります。
でも、家が欲しいという気持ちと
モデルハウスを見学した時の
高揚感を抑えきれず結局、
契約する流れになりました。
契約を決めた時の気持ちは
「なんとかなるだろう!」でした。
この「なんとかなるだろう」が
実は大きな間違いなのですが
そんなことに気付くこともなく
ほぼ勢いでした。
不安に思っていたのに、
結局のところ金利や条件等を
ほとんど調べることなく
(検討したのは住宅会社の提携ローンのみ)
月々の返済額をその当時の
家賃より少し低めに、
ボーナス時の加算額を
15万円位にしようとしたくらいです。
極端に言えば住宅会社の営業マンの
言うなりといったところです。
他に何をすればいいかなども
その当時は分かりませんでした。
今はそれを仕事にしているので
はっきり分かりますが・・・、
でも、これって今考えれば
なぜ
ああだったのだろうと
不思議でなりません。
9割がマイホーム取得に不安を感じている
ネットのニュースを見ていたら、
とても興味深い記事がありました。
東京の住宅関連会社
ハイアスアンドカンパニーが、
現在の住まいが持ち家ではない全国の
20代から40代の男女に
調査した結果によると、
マイホーム取得予定の意向があると
答えた人(296名)のうち、
88.9%が不安に感じたことが
あると答えたそうです。
そしてその不安の具体的内容に
ついては、
「無理のない返済計画が立てられるか」
が最多の理由で59.3%もの数字でした。
そもそも私には相談する相手はいなかった
私は家を建てる時は
やはりその道のプロである
住宅会社の営業マンに要望を伝えた上で
可能な限り値引きをしてもらったり
最適なローンなどをアドバイスして
もらえると思っていました。
だって、その道のプロですから
餅は餅屋にということです。
しかし、
多額のローン(私にとっては)を
きちんと完済することが出来るのか
という視点ではなく、
今の年収ならこれくらい借りれます。
という話しだけでした。
考えてみればそれは当たり前です。
営業マンはいかに契約してもらうかを
考えるのが仕事ですから。
お客様が最終的に完済出来るかどうかには全く興味などあるはずもありません。
その営業マンも社員として実績を上げなければならない上に自身の生活もあります。
今なら瞬時に分かりますが、
自分の売りたい商品を、
家が欲しいオーラを出している人に
(モデルハウスを見て高揚している)
買ってもらえるように
うまく流れに乗せただけだったのです。
人は長期で考えるのが苦手です
1年、2年先の未来はなんとなくイメージできるものの、5年、10年となると、途端にイメージが難しくなります。
それが住宅ローンを完済する
30年、35年先と言ったら、
もう何も見えないのが普通でしょう。
全く見えなくて、
イメージすることも困難。
分からないと怖い。
つまり、不安の正体はこれなのです。
目の前の家計を見直すことは、
分かりやすく、すぐに結果が
見れるので多くの無料サービスが存在します。
しかし無料でやることに関しては、
どうしても、
買ってほしい何かへ誘導せざるを得ません。
家を建てる時も、
お金を払ってもでも中立で相談できる
相手がいたらすごくいいのに・・
誰かいないかなあ・・・
いないみたいだなあ・・・
「だったら自分達でやろう!」
というのが今この仕事をしているきっかけです。
家を建てる前の“不安”を解決し、
「無理のない返済計画が立てられるか」を
クリアにしたいのなら
あなたの家計を第3者と長期の目線で
客観的に見るだけでよいのです。
これが実はとても大事なのです。